第8回本人の会全道交流会

「ひろげようみんなのわ」in札幌


平成26年10月12日(日)

札幌コンベンションセンターに於いて

 

開会式

 冒頭、本人の会全道交流大会実行委員長の今野さんから開会。つづいて来賓として北海道新聞社会福祉基金事務局長の鈴木隆司様よりご挨拶を頂きました。その後、各分科会に分かれて会がスタートしました。


第1分科会

「こうだったらいいのにな福祉サービス」

 

1.札幌市交通局の方からのお話(SAPICAについて)

 SAPICAの説明

 札幌市交通局の堀川様と斉藤様より、最近暮らしの中で身近な存在となっている「SAPICA」について説明をしていただきました。始めに“SAPICAの5つの特徴”として、基本的な使い方やゴミが出ないため環境に優しいこと、なくした時にも名前を登録していれば安心であること、ウィズユーカードと同じく毎回切符を購入するよりもお得であること などのご説明をいただき、その後、さらに詳しく交通局様特製の特大版SAPICAも使用しわかりやすく教えていただきました。札幌市以外から来ていた方も多かったのですが、全道のほとんどの交通機関で使用できるとの説明もあり、参加された皆さまにとって実り多き内容だったのではないかと思います。

福祉SAPICAの説明

 福祉SAPICAについてもご説明をいただき、これを使用すれば半額の金額が引かれていくこと、介護者用のSAPICAには2種類あること、1年ごとの手続きが必要であること、買う時には障がい者手帳が必要であること などを教えていただきました。

 

質問コーナー(伝えたいことふくむ)

ウィズユーカードの払い戻しは可能か/耳が不自由だが、カードを落とした時や質問がある時にFAXで連絡することはできないか/落とした時に悪用される危険性はあるか/Kitacaを使用し福祉料金で乗車する方法はないか など多くの質問が出ていました。石狩大地の会のメンバーからは、“将来的に中央バスカードも廃止になるらしい”と聞いたが、石狩市内でチャージできる場所は増えないか、との質問が出ていました。バス会社との検討事項に加えてくださるとのことでした。

 SAPICAのパンフレットにふり仮名をふってほしいとの意見も出ていました。

2.北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課からのお話(福祉計画について)


北海道における障がいのある人のための

福祉計画について


北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課地域づくり推進グループ:阿部様より、「障がいのある人のための福祉計画」について説明をしていただきました。始めに、北海道でどのくらいのサービスが必要か、どんな施策を進めるのか、を3年ごとに決めている(福祉計画を立てている)との説明をしていただきました。第3期福祉計画(今の計画)は平成27年の3月で終わるので、第4期福祉計画(次の計画)を作成しようとしているところ、とのことでした。

第4期福祉計画(次の計画)には「地域で安心して暮らし続けることができるよう手助けするセンターを作る」いう目標が新たに加わったとのことです。年を取ってできないことが増えたり、一緒に暮らしている家族が亡くなってしまった場合でも、地域での暮らしを安心して続けていける町づくりを目指す、という目標だそうです。地域で暮らす方々にとって、とても心強い内容ですね。石狩大地の会のメンバーが聞きたいと思っていたことについても、お話を聞くことができました。

他にも、具体的な取り組み内容として、相談支援体制の充実や、精神障がい者の退院促進、就労支援の充実、在宅医療の充実、ライフサイクルを通じた連携した支援、権利擁護の推進、共生型事業の推進、地域間格差の縮小、障がい児支援の充実、災害に備えた地域づくりの推進に取り組んでいっていただけるとのことでした。


質問コーナー(伝えたいことふくむ)

 質問コーナーでは、質問よりも多くの意見・お願いしたいことが出ていたかと思います。地域の理解や地域とのつながりがあることで防げる事件もあるのではないか/それぞれの障がい特性に合った関わりをしてもらいたい/相談できる場所の充実や災害の時にどうしたら良いのかなどをもっと考えてほしい など、大変貴重な意見が出ていたのではないかと思います。

具体的には、最近起こった知的障がいの方が起こしてしまった事件ももっと地域の理解があれば防げたのではないか、災害時のために要介護者がどこにいるかを知しっておいてほしい(個人情報を理由にできないと言われたことがあるが…)、見た目で障がいがわかりにくい人に関する地域での啓発活動が必要だ などの意見がありました。

この他にも、メールやFAXでも思いを伝えられる仕組みがあると良い(耳の不自由な人や、言葉では上手く伝えられない人がいるため)、アンケート調査をしてはどうか、などの意見も出ていました。

全体を通して

 札幌市交通局:堀川様、斉藤様からの説明も、北海道保健福祉部障がい者保健福祉課:阿部様からの説明も、図やパワーポイントなどを利用し、大変わかりやすく行っていただいたと思いました。わかりやすく伝えようと工夫してくださった気持ちを嬉しく思いました。

 参加された皆さまからも多くの質問・意見が出されており、自分たちの地域での暮らしを積極的に考えていこうとする姿勢が素晴らしいな、と感じました。助言者の方々からも、質問や意見に対し丁寧にお答えいただきました。

 参加された皆さまからの質問に答えていただくだけでなく、思いや希望を聞いていただく機会となり、地域へ障がいをお持ちの方々の生活の充実について発信する貴重な機会となりました。

当日は、約36名の方に第一分科会に参加していただきました。第8回本人の会全道交流大会「ひろげようみんなのわ」開催にご協力いただいた皆さま、参加していただいた皆さまに心より感謝申し上げます。

 

2分科会「ものづくり」

 Tシャツづくり・バッジづくり・牛乳パックで万華鏡づくりと3つのグループに別れて制作を行いました。Tシャツづくりでは、参加者も集中して制作に取り組まれており、完成すると全ての参加者より喜びの声聞かれています。また、当日の為に皆が準備してくれたTシャツ作りの手順書も大事そうに皆さん持ち帰られています。帰る間際に、『帰ってTシャツまた作ります』『たのしかったね』の声が参加者の皆さんからありました。事前の準備と手厚い支援の甲斐があってか、みなさん素晴らしい出来栄えであったと聞いています。完成後にお互いに作品を見せ合ったり、作ったバッジを交換したりと交流会に相応しい分科会であったかと思います。



3分科会仲間づくり

「札幌青少年科学館・プラネタリウム」

 

3分科会では、札幌市青少年科学館に行っています。1030分にバスに乗り、コンベンションセンターを出発しています。バス内では、自己紹介や隣の人とお話をすることで、交流を深めています。青少年科学館に到着してからは、支援者が受付の間、売店に売っている商品を見る人や、トイレなど休憩をして過ごされています。受付後はプラネタリウム館にて、季節の星座を見ています。皆さんは本物の空を眺めるように見ていました。後半になると、宇宙飛行士が宇宙船から見た惑星や、火星から見た地球などの映像を折り混ぜながら、宇宙の説明をしてくれています。宇宙船に乗ったような感覚で見ているようでした。プラネタリウム見学を終えてからは、皆さんでお弁当を食べています。向かい合わせ2列になり、交流を深めながら食事をしています。とても良い表情でお話をされていました。帰りのバス内では、司会者がクイズや歌を唄ってバスを盛り上げながらコンベンションセンターに戻られています。大人数での観光は楽しいと話されている方もいました。

 

全大会

 全体で各分科会の報告と会場からの感想、北海道手をつなぐ育成会小林事務局長からご挨拶をいただき散会となりました。小林事務局長からは、今回の準備に関して大地の会へのねぎらいのお言葉をいただき、とても誇らしく思いました。それぞれが忙しい中で準備を進めてきたことが報われた瞬間でもありました。